2015年3月31日火曜日

Appleの下取りは戦略の一つ

Appleは製品購入者に対して、下取りを実施している。

Apple Store下取りサービス - Apple Store(日本)

これはキャンペーンだが、最近iPhoneの下取りという取り組みが拡大している。

米アップル、中国でアイフォーンの下取り開始へ-関係者 - Bloomberg

中古のiPhoneには色々な流通経路があるようだ。

海を渡るiPhone、知られざる中古市場の実態 | 週刊東洋経済(Tech) | 東洋経済オンライン | 新世代リーダーのためのビジネスサイト

新しい商品を買う為のインセンティブとして下取りがあるだけではなく、二次流通によって、メーカーがさらに稼ぐ仕組みになっている。iPhoneはAndroid端末と比較して高価な傾向があるので、安価な選択肢を、品質が管理された状態で提供されるなら消費者側にもメリットがある。また、新製品の価格を維持する効果もあるだろう。新しくなる度、当然のように価格が下落するIT機器において、興味深い取り組みだと思う。

Apple Watchの発売が近づいているが、Apple WatchはiPhoneのように、新しいものが出たら買い換えるものだろうか?旧来の腕時計のような価値も持ち得ると考えると、このような買い替えが生じることは考えにくい。しかしIT機器としての一面を持つ商品なので、新製品による、旧製品の陳腐化は避けられない。Appleはどのような手を打ってくるだろうか?

一つは中身(機能品)のリプレイス。ソフトウエアのアップデート、バッテリーの交換、中身全体のリプレイス。段階は幾つか考えられるが、ケースとストラップ以外、ケースの中にあるものがリプレイスされれば、新品を買うよりも安価にリプレイスが可能だろうし、アップグレードに相当すると考えられる。

もう一つは下取り。これは既存の腕時計の資産的価値と同様の、市場価値(価格)維持の仕組みを適用することと考えられる。買い手の存在こそが、価格価値の維持を実現する。

いずれにしても、一度市場流通した商品の価値を、如何に維持するかという取り組みなので、新製品が、旧製品を陳腐化し、価値を無力化するというものとは異なるはずだ。